「族譜」
梶山季之=原作 ジェームス三木=作・演出

6月3日練馬で初日を迎えた「族譜」全国公演は、7月25日仙台で、上半期22ステージの公演を無事終了いたしました。各地の皆さまとの出会いを、続く秋の公演でも楽しみにしております。様々な形態での公演の中から、出演者の吉村直が故郷・熊本県松橋(まつばせ)町で、みずからが関わり実現させた、その名もズバリ「吉村直ふるさと公演」の様子を報告してもらいました。

「吉村直ふるさと公演」     吉村直(俳優)

 7月4日、その日宇城(うき)市松橋(まつばぜ)町は洞爺湖のサミット以上に湧いていた。「演劇普及」を今回ほど実感したことはない。いつか我が故郷で公演したいとは思っていたがこんなに早くも実現するとは…。

 それは本当にひょんなことから始まった。今回実行委員長をやってくれた宇土君(ご住職・ 中学時代同級生)に相談したところ、あれよあれよという間に燎原の火のごとく深く、広く燃え広がったのでありました。男どもの調子良さに一抹の不安はありましたが、実際女性達の頑張りが凄かったそうです。(何処でもそうではありますが)今まで人前に出る事も躊躇っていた人がかなり熱心にチケットを売ってくれたとも聞いております。只同級生が芝居をやるというだけで…。地元の高校を出て35年の歳月が過ぎ、それこそその時以来という同級生もいて、昔の記憶はほとんど当てにならず、しどろもどろする事甚だしくなんとも恥ずかしいかぎり。一番のショックは初恋の人が一番熱心にチケットを売り、道具搬入の時も一番立ち働いてくれていたにもかかわらず、思いだせなかったのだ!35年の歳月のなんと非情なことよ!(ごめんなさい!)


終演後の交流会で実行委員の方々と。
前列左から4人目が筆者

 まぁ何にしても有り難きは同級生だ。その彼ら彼女らが、自分たちの誘った人達が本当に喜んでくれたことが良かったと言ってくれ、当初の目的を達成出来、「ふるさと公演」をやって良かったと心からそう思った。初めて演劇を味わった人達が多かっただけに。

  同級生達から「お前は俺達の希望の星だ!」と言って貰えたことはこれからの演劇人生の大きな財産です!同級生のみならず様々な方々の奔走があった事も忘れてはいけません!吉村直は本当に幸せ者です!もっともっと頑張って参りま〜す!