4月17日(金)〜26日(日)紀伊国屋ホールにて上演しました。

 スピーディーかつ洗練された演出で話題を呼んできた高瀬久男氏による初の書き下ろし作品でした。「食卓」(ちゃぶ台)を囲む男女達の会話を通して、戦後から高度成長期を経て失ってきたモノ、現時点で私たちが置かれている社会状況を俯瞰的に見つめ直した意欲作。劇団にとって挑戦的な創造スタイルでもあり、反響も様々いただきました。

 また若手の劇団員が中心となって「青年観劇会&交流会」を企画、80名以上の青年達が集まりました。ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。




手前左より 本間理恵 矢野貴大
奥左より 大山秋 大月ひろ美 北直樹 清原達之 島本真治

左より 石橋美智子 佐藤勇生    舞台写真:宮内勝

○…観見終わった後話したく(尋ねたく?)なりますね。こんな芝居が観られるとは思いませんでした。…高架下を思わせる大きなセットも雰囲気有りでした。ゆったりしていて豊かで温かく、でもなんとなく現実感のない、桃源郷のような真ん中の食卓と、リアルにつらい周りの人々。おいしい食事を用意する女性たちが二つの世界をつなぐ巫女のようでした。(50代・女性)

○おもしろかったです!現代を強烈に表現しています。現代という時代を生きている私という一人の人間の精神世界を群像によって描いてくれた、と思いました。現代…孤独と共同への志向と、喜びながら痛みながら、歩む我々を見つめる機会になりました。(40代・女性)

○悲しい悲しい感覚。あたたかみのある人間の存在がこうもそれぞれに過酷なのが。生きているのに、生きる権利さえ感覚さえも失って、それでも感じたいと、つながりたいと思う。愛してと、大好きと、生きたいと思っても良いんだという、当たり前のことを知っている。今が変わったらいい。(20代・女性)


キラリーズ☆ 青年観劇日&交流会!

 4月18日、夜公演の観劇後の交流会。とある中華料理屋の地下は青年たちであふれ返りました。これまでも若手劇団員が中心となって「キラリーズ☆」という企画名をつけ、地域で出会った青年や友人を誘い、交流会を開いてきました。現代社会の様相を描いた今回の作品では、派遣切りや過重労働などの影響を強く受けている青年層にぜひ観て欲しい、芝居の感想だけでなく立場を超えて様々なことを語り合う場をつくりたい、という思いで取り組みました。当日は80名以上が参加(「心が青年」というご年配の方も参加)し、マイクを使った司会の声が届かないほどの大賑わい、後日「今の若者は元気がないと言われるけど、自分たちもすてたもんじゃないと思わせてくれる会だった」と感想を寄せてくれる方もいました。演劇の一つの役割としてこういう「場」をうみだすものである事を改めて実感できた夜でした。