劇団機関紙のリニューアルにあたって

 40年前、タブロイド版で創刊された「季刊青年劇場」は、以来、観客と劇団を結ぶ絆として全国の皆様にご愛読いただいてきました。一方で青年劇場は、自ら活動の柱とする青少年劇場公演の分野で独自に「青少年劇場通信」を発行してきました。このたび、この2つを統合し、「青年劇場通信」としてリニューアルすることになり、今号はそのお試し版、準備号とさせていただきました。

 「青少年劇場通信」は、40年前「学校演劇通信」として創刊したのち2年後に改題し今に至っています。シェイクスピア作「真夏の夜の夢」で、市ヶ谷商業高校体育館での全校鑑賞という形で産声を上げた青年劇場ですが、その名の通り若い情熱と感性で青少年観客や先生たちと出会い熱く語り会う中、演劇鑑賞教室を通じた教育実践の紹介、高校演劇の全国大会講評など稀有な役割を担いながら、さらに演劇を通じ子どもたちの成長を担うより広い人々とのつながりへと発展してきたのでした。

 昨年の東日本大震災と福島第一原発の事故という未曾有の災厄を経て、歴史的岐路に立つ今、ともすれば目先の困難に追われる今こそ、演劇を通じた様々な取り組みが、世代を超えて求められています。

 この「青年劇場通信」が、より幅広いみなさまに劇団の総合的な活動をお伝えし、時代と演劇を語り交流する場、劇団と観客をつなぐ機関紙としての役割を果たしていけるよう、編集に努めていきたいと思います。引き続くご愛読をよろしくお願いします。

(編集長 葛西和雄/編集…大屋・川田・白木・菅沢・広瀬)