あの夏の絵

あの夏の絵トップページ 初演の感想 日程






2015年12月

スタジオ結(YUI)での初演より



 東京・新宿の小劇場。最後列から見つめる女子高生の姿があった。
 広島市立基町高校三年の宇都宮未来(ミキ)さん(18)。祖父の記憶を伝えたい。私たちの未来と無関係ではない ―。そんな思いで、自分たちがモデルとなった劇を鑑賞していた。
 基町高では二〇〇七年から、被爆証言を聞いて絵にしている。未来さんは祖父功さん(85)の記憶を描いた。原爆投下翌日、百貨店の中で座ったまま片目を見開いて死んだ少年。その無念に満ちた目を。
 この基町高生の取り組みをまとめた小倉康嗣・立教大准教授(47)の論文がきっかけで昨年末、東京の劇団「青年劇場」の上演につながった。劇の題名は「あの夏の絵」。被爆者から何度も話を聞いて、戸惑い、悩み、死の意味を考えながら、成長する高校生たちが演じられた。
 未来さんは一生懸命見つめた。一緒に観劇予定だったものの、直前に祖母が入院し、来られなかった祖父母の分も。
 上演後、舞台上に招かれた未来さん。「絵を描くことで、原爆は過去でなく、私たちが経験するかもしれないことだと思い、怖くなった」。そう語ると、会場から大きな拍手を送られた。

(2016.3.7東京新聞・城島建治)




 とてもみやすいお芝居でした。原爆とは。被爆とは。ちゃんと考えたことがありませんでした。調べたことも、聞いたこともなく、劇中、少し生々しい話をするシーンで「怖い」と思いました。でも、終わりに近づくにつれて変わっていく「ナナ」をみて、とても他人事ではないなと思うようになりました。昔の出来事を学ぶ意味がやっとわかったような気がします。まるで本物の高校生のような、とてもリアリティのあるお話でした。こんなに真剣に観たお芝居は初めてです。
ありがとうございました。
(10代・女性)




 すばらしい公演でした!
 私は被爆二世で、父の体験の証言を始めたばかりです。実際の被爆体験を語れる被爆者と違い、聞いた事、読んだ事で伝える事の難しさを痛切に感じています。その思いは絵を描く高校生が感じた苦しみ、もどかしさと共通するものだと思います。本当にいい作品に仕上がっていると思います。
 今後の公演、ご活躍を楽しみにしております。
(50代・女性)



 このような舞台を、生まれて初めて拝見させていただきましたが、なにか「魂」のようなものを感じることができました。
私も原爆を「自分と関係のないもの(世界)」だと思って、これまで生きてきましたが、この舞台を拝見させていただいたこれを機に、原爆についてより知ろうと思いました。
(20代・男性)




 素晴らしかったです。
 難しい内容を、どのように表現するのかと思っていました。はじめての劇場で、入った時には正直びっくりしましたが、そこはプロですよね。小さな劇場を小ささを有効に使い、効果的でした。効果といえば、あのバックの音楽が、とても良かった。どこかもの悲しく、それでいてリズミカルで、力強く、場の転換として、前の場面を次に繋げていました。途中で変わったのも良かったです。感動しました!!!
 被爆体験を聞き取って、絵を描くという、大変な作業はさることながら、3人の高校生に代表される、今の子どもたちの抱えている問題を織り込み、関係をつくっていく過程を丁寧に扱っていました。女子生徒の心の痛み、そこから変わっていくための美術部、仲間との関わり、先生の控えめな、生徒を主役に信頼している姿、こんな関係を多くの子どもたちが持てたらなー。と思い、泣けてきました。
(女性)




 証言に出てきた道を自分で歩いてみたり、その場所に実際に行ってみたりしながら、体験はしていないけれど、被ばく体験についての理解を深めながら絵を描いていく高校生の姿、そして絵ができあがっていくプロセスのなかで、証言者たちが何度も何度も「ありがとう」という場面が、とても印象的でした。また、語らないでいることにも、その人なりの理由があることや(ごくごく身近な範囲で)平和でいたい、知る必要も感じない、という「外側」で分け持たれている意識などもとても丁寧に描かれていて、考えるきっかけがたくさん散りばめられていました。
(40代・女性)




 私には12歳になる息子がいます。彼にどのように原爆のことを伝えようか、時々考えています。伝え聞く平和教育の功罪を思うと、今、どのように伝えるべきか悩みます。「あの夏の絵」を観て思ったのは、子どもにこそこの劇を観せたい、ということでした。
 もちろん小学生だけでなく、中学生、高校生にも、広く観てもらいたい。観劇という体験を通じて、継承に向けた「経験の重ね合わせ」が多くの人に広がっていくことを願っています。
(男性)




 舞台を拝見しているおり、途中、証言者白井さんが、ご本人かと思ってしまう瞬間がありました。
 イーゼルに置かれている絵が見えてくるようで、また生徒たちが自分たちの足で歩く地とそこから見える風景が、観客である私にも見える気がしました。
 舞台を観にうかがう前は、原爆がテーマになっているということで、かなり重くとらえていましたし、観る側も覚悟をもっていかなければ、というかまえた気持ちでしたが、実際観る舞台は、高校生のみずみずしいそして純粋な、そして真摯な姿勢を表現しきっている役者さんたちの力量にも支えられ、また、この公演にかかわられたすべての方々の熱いエネルギーが、証言やそれぞれの方々が語ったことばのエッセンスとともに、観る者の心にしっかりとどきました。
(教員 女性)




 高校生と先生の場面すてきでした。明るくお互いに突っこんだりするような軽いテンポの会話の中でも、自分と向き合ったり、相手に踏み込んでいこうとする高校生らしいまっすぐさが伝わってきました。
 おばあちゃんと恵が一緒にスイカを持って歩く場面からお婆ちゃんの証言の場面、涙がとまりませんでした。
(教員 男性)

撮影=v-wave


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※学校での演劇鑑賞教室について劇団機関紙上で連載していたものをWeb上にアップしました。

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