稽古場特別企画
気 配

「第三帝国の恐怖と悲惨」より
B・ブレヒト=作 岩淵達治=訳「ブレヒト戯曲全集」(未来社)より


戦後60年。青年劇場41年目の新企画


 ベルトルト・ブレヒト(1898年〜1956年)の代表作で、第二次世界大戦前夜のドイツの 人々の様子を描いた「第三帝国の恐怖と悲惨」(1938年)を、青年劇場稽古場の濃密な空間で お楽しみください。
  1「国民共同体」
  3「白墨の十字」
 10「スパイ」
 23「就職斡旋」
 24「国民投票」

の各章を抜粋再構成して、若手からベテランまでの得意のアンサンブルでご覧頂きます。 青年劇場初の「ブレヒト」、俳優の板倉哲が初演出に挑みます。新しい演出家を育成し、 創造の新しい広がりを目指す劇団の挑戦です。


初志貫"哲"
板倉哲(演出)
「こんなことをしてる場合じゃないのに!」と焦りつつも本筋とは別の用件に没頭することが、 ボクにはよくある。受験生の頃はラジオにハマったし、今では終電間近になるともう一杯飲みたく なる。思い返せば大学時代に教職を目指し実習まで終えたボクが、プロの俳優になってしまったのも 大きな脇道かもしれない。

しかし、22年の道草人生の間ずっと忘れなかった僕の原点=夢がある。「第三帝国〜」を上演・成功 させること。「見えない恐怖に怯え、うろたえる人々」や「知らぬ間に忍び寄り、いつしか根を張る 貧困・暴力」を描き、「今日の世界を演劇によって再現させる」ことだ。「第三帝国〜」との出会い が無ければボクは演劇をやっていなかったに違いない。

そして今、念願の初志を貫くチャンスが来た。青年劇場には40年間作り上げてきた有形無形の蓄積が あるし、何よりも、素晴らしい観客がボクたちを支持してくれている。

しかも初日がブレヒトの誕生日にあたるなんて出来すぎている。きっと上演は成功し、僕はまた 終電を逃がすまで祝杯をあげる事になるだろう。

正直言えば、初演出は不安で一杯だ。またまた別の事に逃避したくなるくらいだ。でも「初めてに しては頑張った」との評価では満足できない。ワイマール憲法と日本国憲法がダブって見える現在、 ボクにとってこの上演は失敗の許されない真剣勝負だ。ボクはこの稽古場=劇場で観客の皆さんと 一緒に背水の陣に立ち、一緒に第三帝国の人々を笑い飛ばしてやりたいのだ。そして……。


スタッフ 出 演
演出 板倉哲
美術 松橋秀幸
照明 松浦みどり
音響効果 石井隆
衣裳 宮岡増枝
舞台監督 青木幹友
テクニカル
アドバイザー
横田元一郎
製作 大屋寿朗

守川くみ子

青木力弥

高安美子

島本真治

北直樹

浦吉ゆか

崎山直子

清原達之

高山康宏

大山秋



「国民共同体」

「白墨の十字」

「スパイ」

「就職斡旋」

「国民投票」
(舞台写真:蔵原輝人)