喜劇キュリー夫人
ジャン=ノエル・ファンウィック=作(原題「シュッツ氏の勲章」)
岡田正子=訳 飯沢匡=演出

美術=園良昭 照明=横田元一郎 音響効果=石井隆 衣裳=宮内裕 選曲=悳俊彦
演出助手=松波喬介 舞台監督=宮崎靖 製作=土方与平・福島明夫


万事不器用なピエールとおきゃんなポーランド娘マリー。
名もなく貧しい二人が、
パリの古びた実験室で出会い、世界にはばたくまでの、
笑いと奇知と恋に彩られた、てんやわんやのコメディ!
公演班
だより
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偉人の目で描く偉人伝
飯沢匡
 この劇は例のラジュウム発見のキュリー夫人の伝記劇といえるだろう。
 キュリー夫人の娘のエヴァが書いたとてもよい伝記があるが、私はそれを読んで大感激した記憶がある。ラジュウム発見の 作業は十年間劣悪な条件のもとで毎日、毎日ピッチ(アスファルトの一種)を熱を加えて煮つめることであった。 キュリー夫妻はその作業を倦きずに続けたが、この劇はその辛苦を喜劇の目で描いている。
 これこそ私の志している喜劇作家の人生態度と思うので、私はこの劇に飛びついたのである。
 それがこうして舞台の上で、しかも日本で再現されるとは望外の喜びである。それも黒柳徹子氏のキュリー夫人という 配役で出来ることは観客と共に喜びたい。品格があって喜劇の味を出せる人は、なかなか見つからないからである。
 フランスでも目新しい劇の払底しているこのごろ、この劇はみつけものと、これを発見して来てくれた土方与平氏に 私は深く感謝しているのである。
●飯沢匡氏は、1994年10月9日、ご逝去されました。心からご冥福をお祈りいたします。




キュリー夫人になれる!
黒柳徹子
 戦争が終わって、まだ日本が食べるものもロクになく、ゴタゴタしている時に、はじめて見た大人の映画が 「キュリー夫人」だった。中学生だった私にとって、女性の科学者が、二度も、ノーベル賞をもらうような仕事をしてる、 ということは驚きだった。しかも夫を心から愛し、尊敬する姿にも胸を打たれた。以来、私はキュリー夫人に興味を 持って色々の伝記など読んでいた。今回、偶然にも、そのキュリー夫人になれることになって夢みたいだと思っている。 しかも私の大好きな「喜劇」なんですから。久しぶりに青年劇場の皆さんと共演できるのも、うれしい! どうぞ人間味いっぱいのキュリー夫人を見にいらして下さい。笑って下さい。そして、きっと彼女の情熱に、皆様は 心を動かして下さることと思います。




出演者

黒柳徹子 (客演)
マリー・キュリー

千賀拓夫
ピエール・キュリー

後藤陽吉
ギュスターヴ・ベモン
(ビクロ)

青木力弥
ロドルフ・シュッツ

葛西和雄
クローザ大学区長

守川くみ子
ジョルジェット・ロベール




感想文から
伝記で知っているキュリー夫妻ではなく、人間味あふれる姿にふれることができました。祖国ポーランドの独立を願い、したたかに生きた キュリー夫人の生き方、素晴らしいと思います。 (女性)
科学に弱い私にも理解ができるようによく説明してくれました。面白く創られていると思います。 (63才・男性)
劇の初めは何もわかりませんでしたが、だんだん引き込まれました。それはキュリー夫妻の優しさ、ひたむきさが大きな要素だと思います。 (35才・女性)
あっという間の観劇でした。「キュリー夫人」という人物もよく理解でき、実験のシーンでは目が釘づけになってしまいました。各キャストの方の 個性も良く出ていて、観ていて楽しくなりました。 (24才・女性)
科学者も労働者で、そのあがりをかすめる学長のおかしさも鋭くておもしろかったです。黒柳さんのお人柄も出ていてすてきな公演でした。 (55才・女性)
飯沢匡演出のような、楽しい都会的なセンスの喜劇を今後も上演して欲しい。 (59才・男性)



(舞台写真:古場田清)


2006年公演予定
3月〜4月首都圏演劇鑑賞団体連絡会議
関越演劇鑑賞団体連絡会議
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