青年劇場友の会



会員の声


 芝居を観るって能動的な体験かもしれません。劇場に足を運ぶにとどまらず、観劇中は心がざわざわし、人を愛する気持ちがムクムク起き上がり、社会の理不尽に本気で怒ったりする。役者と観客のほどよい緊張感は、舞台の進行でどうなっていくのか誰にもわからない。受け身的に観ているというよりは舞台にのめり込んでいく―そんな体験を引き起こすパワーが、とりわけ青年劇場にはあります。
 私の青年劇場との出会いは「翼をください」であり、そこでは相矛盾するものがぶつかって火花を散らすような若々しさが溢れていました。あるいは最近の舞台であれば、例えば軍需産業に巻き込まれている町工場の、武器輸出がもたらす結果にどこかで気づいていながら日常を送る葛藤がリアルに描かれます(「雲ヲ掴ム」)。舞台のテーマはいつのまにか時代も立場も飛び越えて“自分ごと”になる。それは現場に足を運び,いろんな人と出会いながら制作をする劇団員の努力によるのでしょう。来年はどんな舞台に出会えるのだろうか、楽しみです。

田中 健夫(東京女子大学教員)