シェイクスピアこぼれ話


「十二夜」 Twelfth Night, or What You Will

 この作品は、シェイクスピア喜劇の中でも最高の傑作と言われています。タイトルの「十二夜」というのは、作品の内容とは直接関係がなく、クリスマスから数えて12日目のお祭りに結び付けて、「愉快な喜劇」といった意味で名付けられたのだろうと言われています。また、「お好きなように」「お望み通りに」といった意味の副題がついており、「好きなようにこだわりなくお楽しみください」といっているのだろうと思います。


シェイクスピアの時代

 シェイクスピアは1564年に生まれ、16世紀の終わりから17世紀にかけて活躍しました。その頃のイギリスは、1588年にスペインの無敵艦隊を破り、その後海外貿易などが急激に伸びた時期です。そして数世紀にわたって続いた封建社会は急激に変革し、新しいものと古いもののたたかいが主な特色といえる時代でした。
 芸術においてもまた、人々は新しい道を探し求めていました。そんなイギリス・ルネッサンスの時代に生まれたシェイクスピア作品は、どれも生命感に満ち溢れ、思想、感情、そして情熱をもっている、血の通った人間を見事に描き出しています。その魅力が、今も世界のいたるところで作品が上演され続けている理由の一つなのでしょう。


シェイクスピアが生んだ言葉

 シェイクスピアはその作品の中で数々の名言を残していますが、それまでにない英語の使い方も「発明」しています。例えばbed room(寝室)、love letter(ラブレター)、school boy(小学生)、fair play(フェアプレイ)、Love is blind(恋は盲目)などなど、その数は1700以上とも言われています。


青年劇場とシェイクスピア

 青年劇場は、シェイクスピア生誕400年にあたる1964年、「真夏の夜の夢」で旗揚げました(第1回東京公演は1967年)。そして翌1965年から第二作目として「十二夜」を上演しています(第2回公演1968年)。
 その後、1971年に「ロミオとジュリエット」(第8回公演)、1975年にミュージカル「真夏の夜の夢」(第15回公演)、1988年から「真夏の夜の夢」(1989年第47回公演)、そして2006年に「尺には尺を」(第91回公演)を上演しています。