オールライト
瀬戸山美咲=作 藤井ごう=演出生きる方法は一つじゃない、 |
人生は勝ち負けじゃない!! |
大人たちへ 瀬戸山美咲 大人になる年齢が遅くなっています。演劇人も昔は20代で才能を開花させるものでしたが、今は30代でも若手と呼ばれます。私も今37歳ですが、若手も若手、お恥ずかしながら気分はまだ10代です。しかし、最近ようやく自分も大人なのだと自覚する場面が増えてきました。子どものいない私も演劇を通して小中高生と出会う機会があるのですが、そのたび自分はどんな「顔」を見せられているだろうと心配になります。できれば格好いい大人でいたいと思います。ああなりたいと思う人間でありたいと願います。ひとりひとりが分断され孤立してしまったこの社会では、まず大人と子どもがつながることが必要だと思います。が、そのためにはまず大人が格好よくないといけません。子どもにとって大人の生きる姿は自分たちの「未来」であり「希望」です。矛盾だらけでもいい。ちゃんとしてなくてもいい。誤摩化さず懸命に生きているところを見せること。それだけが私たち大人にできることだと思うのです。 |
(せとやまみさき) 東京都生まれ。2001年自らが作・演出を担当する劇団「ミナモザ」を旗揚げ。 2003年より、演劇活動と並行してフリーライターとしても活動。 2011年1月、振り込め詐欺集団をジェンダー的観点から描いた『エモーショナルレイバー』が、若手登竜門・シアタートラムネクストジェネレーションvol.3に選出される。 近作に、震災後の自分自身を描いたドキュメンタリー演劇『ホットパーティクル』、心の基準値をめぐる短編二人芝居『指』、資本主義の罪を生活レベルで描いた『国民の生活』など。 パキスタンで起きた日本人大学生誘拐事件を描いた『彼らの敵』が第58回岸田國士戯曲賞最終候補になる。 |