博士の愛した数式

小川洋子=原作(新潮社刊) 福山啓子=脚本・演出



80分しか記憶が持たない数学博士と、シングルマザーとその息子の心あたたまる交流を描く感動の物語。


平成18年度
厚生労働省社会保障審議会 特別推薦児童福祉文化財
児童福祉文化賞(厚生労働大臣賞)受賞


小川洋子氏と福山啓子
左:小川洋子氏 右:福山啓子
(2006年8月稽古場にて)

舞台「博士の愛した数式」に寄せて

小川洋子

 一番うれしかったのはやはり、ルート君との再会でした。小説を書いている間ずっと私のそばにいて、励ましてくれた少年。彼をこの世に存在させるために、小説を途中でやめるわけにはいかないのだ、何としても最後の一行までたどり着かなければならないのだ。私をそういう気持にさせてくれた男の子。その彼が、すぐ目の前で生き生きと飛び回っていました。私は幾度となく舞台に向かって、ありがとうの言葉を送りました。
 今はただ、観客の皆様のお心に何かしら温かいものが残りますようにと、祈るばかりです。

(おがわようこ)
岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞、91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年「博士の愛した数式」で読売文学賞、本屋大賞、06年「ミーナの行進」で谷崎潤一郎賞を受賞。他にも作品多数。翻訳された作品も多く、海外での評価も高い。


出演
(写真にポインターを合わせると役名が表示されます)

井上昭子

森山司

伊藤かおる

湯本弘美

蒔田祐子

スタッフ

原作=小川洋子(新潮社刊)
脚本・演出=福山啓子
脚本協力=篠原久美子

美術=高橋あや子
選曲・演奏=沢由紀子
照明=河ア浩
音響効果=石井隆
衣裳=宮岡増枝
演出助手=白石康之
舞台監督=荒宏哉

製作=大屋寿朗

公演班
だより
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写真撮影:蔵原輝人

初演のアンケートより

◆すばらしい舞台で本当に感激しました。本で読んでいたのでこれはどういう風にシバイにするのだろう、難しいだろうなぁと思っていました。(中略)少しずつ記憶を失っていく博士。でも不思議と観ている私たちが元気をもらえるおシバイでした。これからも良い舞台をたくさん作って下さい。

◆もうとうの昔に子育ては終わっておりますが、お芝居の中で母親の役割り(愛情)に涙しました。自分は母親として子どもにどのようにかかわってきたのだろうと―。出演の皆様とっても良い役者さんと思います。家に帰ってこのお芝居をもう一度ふり返ってみたいと思います。ありがとうございました。

◆心がきれいになれた気がします。すばらしいお芝居をありがとうございました。

◆(前略)ヒトを愛するという事は本当に重いものだナァと思いました。自分だったらどこまで出来るか…考えていきたいと思います。

◆ラストシーン、人は消えても、ちゃんとその生の影響がつながっていくのだと思うと心が暖かくなり、感動しました。



2010年公演予定

11月〜12月 神奈川県演劇鑑賞団体連絡会 他
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