野球部員、舞台に立つ!

竹島由美子=原作
「野球部員、演劇の舞台に立つ!」(高文研刊)
福山啓子=脚本・演出





ぼくらは“本気”のカッコよさを知ってしまった!
―演劇に挑んだ野球部員の物語―


 福岡県南部にある私立翔雲学園高校。過去に甲子園優勝の経験も持つ野球部は、今年は秋季大会の敗退で春の甲子園出場は絶望的になった。「甲子園しか見ていないようでは、甲子園には行けませんよ。」という野球部監督のつぶやきに、隣席の演劇部顧問が思いついたように応えた。「野球部、演劇してみない?!」。

 野球部と演劇部、全く異質に見える両者が本気でぶつかり始めたときに、彼らの中に生まれていく、激しい葛藤と、青春の輝き。

 どんな舞台ができあがるのか。そして、甲子園は…。

「うまれて来る子どもたちは昔と何も変わっていない、一見無気力に見える子ども達の中にも『生きたい』『育ちたい』という力が必ず潜んでいる。」竹島由美子氏の実践記録を原作に、「かげの砦」「青春の砦」「翼をください」「修学旅行」など、数々の青春群像を描き続けてきた青年劇場が、また新たな『今』に迫ります。



あのかけがえのない日々が再び帰ってくる!
西日本短期大学附属高校    竹島由美子

演劇部を指導する先輩OBたちは、「青年が持つ身体の力が、演劇部員達に感じられなくなってきた」と悩んでいました。その先輩達が抱いた「野球部と舞台を創ってみたい!」という熱い要請を、「勝てばいいというだけの野球部では意味がない。違う世界に触れて、広い視野を持った選手になって欲しい」と言い続けてきた野球部の西村監督が受け入れてくれました。

初めて野球部員たちが演劇部の練習場にやって来たとき、先輩たちは大興奮でした。練習後の汚れたままのユニフォームで駆け上がってくる野球部員たちは、不思議なほど温かくて大きなエネルギーを演劇部に運んできてくれたのです。

今まで交流することなど考えられなかった野球部員と演劇部員が、台本を手に真剣に議論したり、楽しそうにふざけ合っていたり…。甲子園を目指す野球部員が演劇部員とともに舞台を創るようになって今年で9年目、指導する先輩も5代目になりますが、どの代の先輩たちも、そんな光景を本当に幸せそうに見ていました。それぞれの年にそれぞれのドラマがあり、それら全てが私たちにとってかけがえのない思い出です。

だから今回の舞台化は、私たちにとって本当に大きな喜びです。あの大切な日々が舞台上にどんな形で再現されるのか、一体どんな形であの日々が蘇ってくるのか、楽しみでなりません。

たけしまゆみこ・香川県生まれ。國學院大學文学部卒。小・中学校の講師を経て、西日本短期大学附属高等学校に勤務。国語科。



原作の感動を舞台へ
福山啓子

竹島由美子先生の「野球部員、演劇の舞台に立つ!」を読んだ時の印象は忘れられません。甲子園に行くような野球の名門校の、それもレギュラーの要となる部員が演劇の舞台に?! しかも、舞台に立ったあと、本当に甲子園に行った?! 驚きの連続でした。

実際に竹島先生や野球部の西村監督、野球部員、演劇部員、卒業生たち、保護者の皆さんと次々に取材させていただいて、少しずつこのミラクルな体験を支えているものが見えてきました。それは、子ども達が生き生きと充実した青春を過ごし、大人を追い越して成長していって欲しいと願う、「常識」にとらわれない大人たちの情熱。そして、それを受け止め、受け継いでゆく若者たちの姿でした。

今度は作品を舞台化することで、より多くの青年たち、大人たちが、自分自身の可能性の豊かさに気づいてくれるように、私もバトンを受け継いで走りぬきたいと思っています。

ふくやまけいこ・東京都生まれ。1980年入団。文芸演出部所属。付属養成所や研究生の勉強会の上演指導・演出などのほか、アマチュアのミュージカル集団などで作・演出。2006年初演「博士の愛した数式」の脚本・演出を担当し、児童福祉文化賞(厚生労働大臣賞)を受賞。



出  演
(ポインターを写真に合わせると役名が表示されます)


中川為久朗

船津基

武智香織

鈴木匡史

岡本有紀

中津原知恵

山田秀人

川端悠吾

藤代梓

スタッフ

原作=竹島由美子
脚本・演出=福山啓子

美術=石井強司
照明=松浦みどり
音楽=石川ホベルト
音響効果=石井隆
衣裳=宮岡増枝
舞台監督=新庄広樹
宣伝美術=増田絵里
  +Design Port

製作=大屋寿朗



↑ ↑ ↑
クリック!


≪2015年全国公演予定≫

6月〜7月 長野県・近畿 他


10月〜12月 山形県・九州・関東 他
 詳しい日程は → こちら