青年劇場通信

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「生の舞台を通して」

徳之島町教育委員会社会教育課 茂岡 勇次

 徳之島教育委員会では、毎年中学生を対象に文化庁事業の「文化芸術による子供育成総合事業 巡回公演事業」を中学校単位の持ち回りで申請を行い、町の文化会館で全島中学校合同での鑑賞として実施しています。
 令和元年度は本町の北部に位置する山(さん)中学校(生徒数10名)が当番校のため、申請確認を行ったところ第一希望で「秋田雨雀・土方与志記念青年劇場」の鑑賞を実施したいということで申請を行い2月に内示、3月下旬に見事決定通知がありました。
 それからは本公演に向けて、社会教育課職員、会場となる文化会館職員、山中学校教頭先生と打ち合わせを実施し準備に取り掛かり、6月に青年劇場より担当の方が当教育委員会を訪問、本番までのタイムスケジュール等の確認をしながら、公演成功に向けての懇談会も行いました。
 本事業の特徴である事前のワークショップを10月9日団員の皆さん6名を迎え山中学校で実施しました。生徒数10名の小規模校のためか内気な子どもたちで、最初は中々溶け込むことが難しかったようですが、団員の皆さんの優しい指導のもと途中からは緊張もほぐれ楽しんでいたと思います。
 そして、11月5日の本番、子どもたちにとっては初めての大きな舞台、リハーサルを丁寧に行った事で、失敗することなく無事役目を終えたと見ていて感じました。やれば出来る。
 終わった後の子ども達の表情が清々しく、あの笑顔はすごくよかったと感じました。
 本町は離島のため生の文化芸術に触れる機会は非常に少なく、こういった国の事業を取り入れることにより、思春期で感受性の豊かな子どもたちが文化芸術を通して少しでも癒され前向きに頑張ってくれたらという思いから、これからも継続していきたいと考えています。
 今回の「あの夏の絵」は題材が原爆の記憶の継承ということで、今の若い世代にどう伝わるのかという危惧もありましたが、鑑賞後の感想文では「戦争について知ることが出来て良かった」「改めて平和の有難さがわかった」などの意見が多数あり、子ども達にとってこの演劇を通して平和について学習する機会にもなったと思います。
 また、徳之島においては現在、島人(シマンチュ)による島人(シマンチュ)のための島民劇も実施しており、今回の公演を通して演劇への関心・興味も深まったと思います。学校教育だけでは体験できない、情操教育の一環として非常に有意義な取り組みだったと思います。また機会があれば是非お願いしたいと考えています。本当にありがとうございました。



「あの夏の絵」の舞台
左から 永田江里 藤代梓 津曲海七斗 傍島ひとみ 藤井美恵子 広戸聡  撮影:V-WAVE