「修学旅行」初旅を終えて


大山 秋(俳優)

 待ちに待った「修学旅行」公演班、初めての学校公演がスタートしました。班の中には初めての学校公演を経験するメンバーもおり、若い班だけに多少の不安を抱えながらの出発となりました。しかし、そんな心配もどこへやら…。幕が開くと客席は爆笑の渦!!と化していたのです。初日の公演に続き、ほとんどの学校の生徒が、とにかく声を出して良く笑い、時には怖いくらいの集中を見せてくれました。

 終演後の座談会では「笑い過ぎてお腹が痛い」「演劇鑑賞では毎回寝ていたが、そんな暇なかった」という嬉しい感想も聞けました。そして、私自身とても印象に残っている、「相手に対してあんなに言いたい事が言えて、本気でぶつかっていける関係がとても羨ましい」という感想。本当は相手に関わりを持ちたいのに、どうやってコミュニケーションをとっていいのか分からない…。ゴーヤの間で繰り広げられる五人の女子生徒の本気のバトルが高校生たちにとって、一つの「憧れ」となって見えたのではないでしょうか。


移動中のサービスエリアにて(2007年11月10日)

 また生徒同様、先生たちの感想もとても興味深いものがありました。「今まで私たちは生徒に何を教えてきたのだろう。あんなに集中して夢中で笑っている生徒の姿を初めて見て考えさせられた」そんな感想を聞くと、内心「よし、きたっ!」と思うのです(笑)。この芝居を通して、演劇鑑賞の役割・必要性を改めて考えてもらういいきっかけになれれば嬉しいです。

 「修学旅行」まだスタートしたばかりのこれからの作品です。いろんな可能性を秘めています。ゴーヤの間から広がる世界を全国の高校生と共有していきたい!

 新たな出会いと発見を求めて、今年も“修学旅行”の旅にいってきます!