秋田雨雀・土方与志記念
青年劇場 第128回公演

豚と真珠湾
―幻の八重山共和国

斎藤憐=作 大谷賢治郎=演出

美術=池田ともゆき 照明=鷲崎淳一郎 音楽=青柳拓次
音響効果=坂口野花 衣裳=宮岡増枝 演出助手=清原達之
舞台監督=松橋秀幸 宣伝美術=小田善久
製作=福島明夫 山岸有理




現在、自衛隊駐屯地の建設が進められている石垣島。
かつて戦後まもなく日本からも見放されて、無法地帯となったこの島で、
自治政府を作ろうと立ち上がった青年たちがいた。
そして結成されたのが、人呼んで「八重山共和国」。
しかしその夢も束の間、やがて米軍の軍政下におかれ…。



1945年11月、戦争マラリアの死者がいまだ絶えない島で、料亭「オモト」の女主人 南風原ナベは、孤児たちを養いながら長男 英文の復員を待っていた…。
戦後から5年間のこの島にたくましく生きる人々の物語。
八重山の戦後を描いた斎藤憐氏の傑作に、大谷賢治郎氏を演出に迎え、青年劇場が挑みます。


斎藤憐(さいとうれん)
朝鮮平壌出身。
1966年、俳優座養成所を卒業後、串田和美らと劇団「自由劇場」を結成。
1969年からはフリーになる。
1980年、自由劇場の『上海バンスキング』で岸田國士戯曲賞を受賞。
偉人、著名人から市井の人々まで、 時代に翻弄されながらもひたむきに生きる人間の姿を活写する戯曲は、 高く評価されている。
劇場開場時の記念公演を多数手がけ、 1997年の東京国際フォーラム開場に際し 歌謡曲作詞作曲家・西条八十の生涯を東京の変遷に絡めた 『カナリア』を執筆し、菊田一夫演劇賞を受賞した。
また2006年、長野の富農一家を通して戦後の日本人を見つめる 『春、忍び難きを』で紀伊國屋演劇賞、鶴屋南北戯曲賞を受賞。
2011年に逝去。
(国際交流基金・日本の現代戯曲データベースより)


暑い、そして熱い!       大谷賢治郎(演出)


 暑い!だけではありません。熱いんです。稽古場が熱いんです。斎藤憐さんの戯曲にはたくさんの思いがつまっており、台詞の真意であったり物語の方向性であったり、様々な分析が必要で、日々稽古場では熱い熱い議論を繰り広げています。その結果、我々がこの座組みで観客に伝えたいことも自ずと溢れ出し、その全てを取りこぼすことなく、日々稽古を重ねています。そんな稽古場ですから、稽古がなかなか進まない。ことあるごとに足を止め、検証する。そして座組みとしての共通認識を確認する。

 またこの作品と向き合うにあたり、僕も含む座組みの何人かは今回の作品の舞台になる石垣島まで足を運び、人に会い、取材をし、音や空気に触れ、泡盛とも出会いました。取材に協力してくださった方々は皆さん、丁寧にそして真摯に話しをしてくださいました。歴史のこと、文化のこと、音楽のこと、言葉のこと、戦後の復興のこと、自衛隊がまもなく派遣されること、彼らの子どもたちも学校に通ってくるということ、これまで行なってきた平和教育が続けられるかということ、そして三千人以上が戦時中、強制疎開によってマラリアの感染死に追い込まれたこと。彼らの言葉にこの作品創造の真髄を感じ、「頼んだよ」とバトンを渡されたような気がします。

 創造過程に於いて難題にぶつかると、俄然燃えるチームにて上演する、今回の作品「豚と真珠湾」。そのチームの姿はこの作品に描かれる自治政府を作ろうとした青年たちの姿とも重なります。自分たちの未来は自分たちの手で作る。その熱い思いを観に来てくださると幸いです。

 「キューヤ、アツァ、ソーラ!」(今日も暑いね〜!)



大谷賢治郎(おおたにけんじろう)
演出家。 1972年東京都出身。 サンフランシスコ州立大学芸術学部演劇学科卒。company ma主宰。
児童劇から人形劇、古典から現代劇、 市民劇から国際的コラボレーションなど 様々な形態の舞台芸術を演出する。
2017年から21年、アシテジ国際児童青少年演劇協会 の世界理事として、国際的な児童青少年のための 舞台芸術の発展のために力を注ぐ。
また東京国立博物館の演劇的ガイドツアー、 国内外での演劇ワークショップなど行なう。
現在、桐朋学園芸術短期大学特任准教授、 東京藝術大学非常勤講師、 東京都立芸術総合高等学校特別専門講師を務める。
青年劇場では、小劇場企画「動員挿話/骸骨の舞跳」(2015)で初演出。 以降、「原理日本」(2017)、「宣伝」(2018年)、 「鮮やかな朝」(2021年)で演出。 定例公演では今回が初演出。


出  演
俳優名をクリックするとプロフィールが表示されます


名川伸子

北直樹

船津基

岡山豊明

蒔田祐子

矢野貴大

岡本有紀

山田秀人

林田悠佑

安田遼平

原田真衣

山本直弥

若林古都美
他の俳優プロフィールはこちら



2022年9月9日(金)〜18日(日)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
(新宿・タカシマヤタイムズスクエア南館7階)

会場アクセス


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昼の部 14:00 -
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夜の部 18:30 - - - - - -
※開場時間は各公演の30分前です。

※上演時間は15分の休憩を含めて2時間15分の予定です。

=残り少なくなりました。
直接下記にお電話ください。
TEL03−3352−7200

★アフタートーク決定!
【ゲスト】
9月11日(日)島田雅彦氏
(小説家、法政大学国際文化学部教授)
9月13日(火)古川健氏
(劇団チョコレートケーキ所属、5月公演「眞理の勇氣」作者)
9月14日(水)川端俊一氏
(元朝日新聞記者、「沖縄 憲法の及ばぬ島で」(高文研刊)著者)  

配信予定
本公演は映像配信を予定しています(有料)。
詳しくは、劇団ホームページでご確認ください。

チケット情報

一般
[前売り] 5,200円
[当日] 5,500円

U30(30才以下)
[前売り] 3,100円
[当日] 3,400円

中高生シート
1,000円
(各ステージ10席限定・劇団のみ受付・前売りのみ)
※料金はすべて消費税10%込です。

◎全席指定
◎障害者割引(4,200円)・団体割引あり(劇団のみ受付)
◎車椅子でご来場の方は準備の都合上、必ず劇団までご連絡ください。

7月12日(火)発売 お申込みは
こちら!!


※お申し込みの際は下記もお読みください。







稽古場にて 大谷氏(2列目中央)と13人の出演者