族譜

梶山季之=原作 ジェームス三木=脚本・演出



韓国併合から三十年。
日本は内鮮一体を掲げ、「創氏改名」という
前代未聞の占領政策を始めた!!

昭和15年、朝鮮・水原(スウォン)郡。

日本政府による「創氏改名」政策の任にあたっている谷六郎は、改名を拒んでいる地主・薛鎮永(ソルヂニョン)の説得を命じられる。

薛は、日本軍に二千石の米を献納する親日家であったが、改名に応じる様子はない。

家を訪れた谷に、700年にわたって受け継がれてきたという"族譜"を見せ、自分は一族の当主として"姓"を変えることはできない、と語る…。

※「族譜」とは、韓国朝鮮で一族の代々の当主が、家系図とともに、それぞれの時代のできごとを書き残し子々孫々に伝えるもの。

※近年の研究成果により、実在したソル・ヂニョン氏は、日本の植民地支配に抵抗し続けた抗日運動家であったことが判明しています。この演劇作品はフィクションであり、登場する人物、団体、事件等は創作上の設定であることをご了承下さい。


梶山季之×ジェームス三木×青年劇場が贈る歴史の真実!

ジェームス三木

国家とは何か

 日清、日露戦争に勝った日本は、朝鮮を保護する名目で支配下に置き、併合して日本の領土にした。朝鮮人はみな日本人にされた。

 太平洋戦争に勝ったアメリカは、日本を保護する名目で支配下に置き、極東の防波堤として米軍基地を各地につくった。

 さすがに日米併合はできなかったが、もっと巧妙な手段で、日本人はアメリカ人にされつつあるのだ。

 行儀のよかった日本人が、歩きながらホットドッグを食っている。千年以上もタテ書きであった日本語が、公文書もメールも、ヨコ書きに一変した。街を歩けば喫茶店もバーも企業名も車の車種もみな英語である。幼児のころから英語教育に熱中し、国語力の衰退は目を覆わんばかりだ。

 湾岸戦争の戦費百億ドル負担、イラクへの派兵、米軍基地の移転費負担、軍隊を持たないはずの日本が、日米合同軍事演習をやっている。それを合法化するために改憲をもくろむ。失敗つづきの衛星打ち上げも、軍事目的であることが明らかになった。すべてはアメリカの世界戦略の片棒担ぎである。

 更にいえば裁判の陪審員制度、意図不明の道州制と、アメリカのいいなりで、首相になりたい政治家は、アメリカ詣でをしてゴマをする。日本人は無邪気なのか鈍感なのか。寄らば大樹の陰と思っているのか。

 ご覧に入れる芝居のテーマは『国家とは何か』である。思い切り想像力をふくらませて戴きたい。

梶山季之
(かじやま としゆき)

1930〜1975
朝鮮京城(現・ソウル)生まれ。
小説家、ルポライター。
産業スパイ、大衆小説等で流行作家となる。一方で、出生の地・朝鮮を舞台に『李朝残影』(直木賞候補)等の朝鮮小説を書き、晩年は週刊誌等の投稿を休筆、長篇小説『積乱雲』に取り組むが取材先の香港にて急死。享年45歳。
代表作に『黒の試走車』『赤いダイヤ』『李朝残影』他多数。
出演
(写真にポインターを合わせると役名が表示されます)

青木力弥

上甲まち子

葛西和雄

中谷源

広戸聡

吉村直

佐藤尚子

大木章

小泉美果

横矢翔剛

枯木彩那

鈴木彩子
(イッツフォーリーズ)

スタッフ

梶山季之=原作
ジェームス三木=脚本・演出

美術=石井強司
照明=横田元一郎
音楽=飯島優
音響効果=菊池弘二
衣裳=宮岡増枝
舞踊指導=白洪天
韓国語訳・指導=金聖守 馬政煕
舞台監督=荒宏哉

製作=福島明夫
演出助手=板倉哲


公演班だより
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