感 想
(2023年2月 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAでの初演より)

・高校生の感想

今の自分に刺さる台詞がいくつもあった

「あってもなくても良いものはあっちゃいけないの?」とか「一人で生きていけない人もしたい事していいと思う」とか、他にもたくさんあったのですが、今の自分に刺さる台詞がいくつもあって何度も泣いてしまいました。(高校3年生)

その強い叫びに心が震えました

光莉に自分を重ねながら観ていました。大人が光莉にぶつける疑問や叫びに、心の中で私の答えを叫んでいました。光莉が言い淀んだり、悩んだりしていた場面は、私にとってもどかしかったです。
「それでも一緒に生きていくの!」この言葉に泣きそうになりました。望んでいない環境だとしても、一緒に生きていくしかない。その強い叫びに心が震えました。一緒に生きていくからこそ、ぶつかるし、嫌いになったりもする。それでも一緒に生きるという光莉の言葉に感銘を受けました。人間関係で辛くなる時もありましたが、この言葉に救われました。(高校3年生)

ロボットと人間の共通の悩み

ロボットと人間の共通の悩みを「命令で動くこと」として取り上げ、まったく違うと感じてしまう様々な問題が少しずつ重なり、交わり、共に解決に動き出す、そんな過程が美しくそれでいて複雑に描かれたとてもおもしろい舞台でした。(高校2年生)

私自身もそうだったな

誰でも、ロボットでも、自分の好きなように自由にどこでも行けるんだなって。登場人物のように他人に言われたり、自分で考えてたはずなのに、無理だなって出来ないなって立ち止まって、自分で道をつぶして残った道をしかたなく通っているような、私自身もそうだったなって思った。だから、立ち止まって道をつぶさず、穴に落ちても進みたい。(高校1年生)

・中学生の感想

分かりやすいけど奥深い

ひかりが色んな人と出会っていくうちに、とらわれていた何かから解放されていく所がとても感動しました。分かりやすいけど奥深い、生きる事について考えさせられる作品でした。(中学3年生)

「ああここは海なんだ」と実感することができた

演出も物語の一貫のような面白さを出しつつ転換もスムーズにしていて、すごく工夫を感じました。始まったときからずっと舞台にあってどことなく閉塞感というか、狭い感じを生んでいた柱(?)が舞台端に寄せられた瞬間、舞台がとても広く見えて、「ああここは海なんだ」と実感することができて、演出次第で舞台の広さも場所も変えられるんだなと感嘆しました。(中学3年生)

どんな道を選んでも自分なんだ

ロボットとの話でしんせんだったけど、自分も今なにをしたいのか分からないと思っていたので、夕なぎとひかりを見て、勇気をもらえたし、自分もなやんだままで良いんだ、どんな道を選んでも自分なんだと思えました。(中学1年生)

飽きずに楽しんで観ることができました!

元々そんなに劇を見るのが得意じゃなくて眠くなってしまうことが多かったから今回の劇で休憩がないことが不安だったけど、観ていて一回も飽きずに楽しんで見ることができました!
ロボット役の夕凪や青嵐や野分さんとかは演じているのが人間だとわかっていてもすごいロボットでびっくりしました。(学年不明)

・先生方の感想

様々な視点と問いにあふれていた

愛とは何か、人はどの様に自立していくのか、自由とは何か、人は命令なしに自由意志だけで生きていけるのか…様々な視点と問いにあふれていた気がします。 ただ寄り添い、隣で同じ現実を見るだけ、なのだけどあれやこれやとディレクションをせず見守ることで育つものがあることを改めて教えてもらえた気がします。
夢とは生きる希望でありながら一歩踏み出すと道のりの遠さを実感し足がすくんで絶望的にもなったり…叶わないから夢(希望)なのか、叶えようとあり続けることが夢なのか。ロボットは常に解決策を考えようとするけれど、足がすくんで思い悩むことこそ生きることだと、そう思える劇でした。(中学校教員)

進路選択を意識する高校生にとっては切実なテーマ

「行きたい場所が見つからない」というのは、進路選択を意識する高校2年生、3年生にとっては切実なテーマであると思います。
また、主人公の「母の理想とする自分を打ち破ることができない」状況も、中高生が自身と重ねられる部分だと思いました。(高校教員)

扱っている題材が実にリアル

SF 的な要素を多く取り入れているのに、扱っている題材が実にリアルで、日常的に思える描写が多くあったことが印象的でした。人間とロボット(AI)との共存はまだまだ未知の体験なのに、労働問題や旅立ちの動機、ロボットの転職など「あるある!」と思えるところが多く、新鮮でした。(高校教員)

進路や人間関係に悩む生徒は興味深く観るだろう

作品のストーリー・演出ともに、内容に入っていきやすいものでした。ロボットと人間の関係、青年期の自己決定など、考えさせられることも随所に散りばめられており、見どころが多いと感じました。進路や人間関係に悩む生徒は興味深く観るだろうという気もいたしました。(高校教員)

・一般の方の感想

前向きになれる作品

世の中に完璧なんてものはないんだ、命令に何でも従う必要はない、自由に行きたい場所に行こうと思える前向きになれる作品だった。
私は20 代だが、これはぜひ若い人たちに見てほしいと思う。進路に悩んだり今の社会に絶望している若い人たちがきっと前向きになれるだろう。(20代)

物語の世界にすっと入ることができた

ファンタジーなのにリアルで、物語の世界にすっと入ることが出来ました。最後の「私はどこにでも行ける!」との力強い言葉が心に響きました。(50代)

舞台写真:宿谷誠

作品の感想を中高生が語ってくれました!ぜひご覧ください